「このバカ!!起きろ天然アホ御曹司!!」




立ち上がると鬼の形相でベッドから毛布をはぎとって怒鳴った。



すると春翔は眩しそうにゆっくり目をあけて。




「あれ…聖南ちゃん、先に起きてたんだ。おはよう」




なんて言って呑気に私に微笑んだ。




琴さんフル無視!?スルー!?


角生えちゃいそうなくらい怒ってるのに!?




「ふわぁ〜…よく寝た」


「引っぱたくわよ?このバカ!!って…あれ?そういえば春翔っちあんた…」


「久しぶりに熟睡出来たよ、聖南ちゃんパワーのおかげでね。」




琴さんが急に目を丸くして固まった。


まさに、“ 目が点 ” って感じ。




さっきまであんなに怒ってたのに…!!




「湊から聞いてまさかとは思ったけど、本当に…?」



「本当だよ。車の中でも一緒だった。まあその話はとりあえず後。聖南ちゃんは着替えておいで」




と言われ、私は春翔に背中を押されて追い出されるように部屋を出た。


今…何が起きてるの!?



私はなんで春翔と一緒に寝て…


昨日は確か、疲れて先に春翔が寝て、そのあと私はデスクの片付けをして…

あれ、それからどうしたっけ?



「はぁ…」



ダメだ、思い出せない。


もう、絶対やらかした…!そのまま寝ちゃったんだよ、私!!