_______ ___

「お世話になりました!」




大きな門をくぐって建物のほうに一礼する。




「聖南ちゃん…行かないで〜!」




「わっ、立華ちゃん!」




泣きながら飛びついて来た立華ちゃんに驚いて、私は手に持っていたカバンを落としてしまった。




「こら立華、聖南が困ってんだろ」




そんな立華ちゃんを引っ張って回収し、ついでにカバンまで拾ってくれる湊くん。


この2人、いつでもいいコンビだなぁ。




「頑張るのよ、聖南!いつでも帰ってきな」


「帰ってこないくらいの覚悟で行けよ、修行なら」




「うん、琴ちゃんもタケちゃんもありがとう!あ、結婚式は呼んでね?」




本当に出ていくんだな、私。




決めてから1ヶ月経つのに、ずっと実感がわかなかったんだ。