「坊ちゃん、聖南様、到着致しました」




「ありがとう、行ってきます。行くよ、聖南ちゃん」




いつの間にか車は門の前についていて、もちろんこんな高級車に乗る人は一人しかいないから人だかりが一瞬でできる。




通学ラッシュ真っ只中のせいで満員電車くらい人混みができてるよ。




あぁ、終わった…




私の脳内が “ 絶望 ” の2文字で埋まった。




ガチャ。


「はい、カバン貸して?」




ご丁寧にエスコートまでして下さる春翔のお陰で、門から教室まで悲鳴や刺さる視線を浴びるはめになったのだった。