「別にそんなんじゃ...せっかく遊園地に行くなら人数多い方が楽しいんじゃないかなって...」




「へーえ?」




「聖南をいじめるのはそこまで。

あたしがついてくって行ったの」




「...っ、弥栄!」





突然後ろから声がしたと思えば、私が座るベンチの背もたれに手をかけて春翔を睨む弥栄がいた。




これこそまさに救世主...!!





「王子の奢りだって言うし?二人っきりじゃあんた聖南に何するかわかんないもんねぇ?」





なんでそんなに警戒してるの?

って思ったけど、よく考えてみれば弥栄に全部バレた時、私春翔に抱きつかれてたんだっけ...





「...なかなかいい性格してるね、平野さん」




黒い笑顔を弥栄に向けて首を少し傾ける春翔。




あ、あざとい...