「私はあるよ。昼からデート」
「あら! あのインストラクターの彼と? 上手くいってるのね」
「まぁね。昌也は仕事でしょ? サービス業は大変だね」
「そうでもないわよ、日曜は暇なの」
「紗夜は?」
「私は……」
特にない、何もない。
強いて言うなら部屋の掃除をしようかなぁーと思っていたけど、2人に憐みの目を向けられると、「ある」と言いたくなる。新しい洋服でも見に行こうかな。
そんなわけで、午前中に掃除と洗濯を済ませ昼からショッピングに出かけることにした。
お気に入りのショップをいくつか回って、本屋巡りをして。
最後に前から気になっていたカフェに入って、まったり過ごそうかと思案していると。
「いらっしゃいませー、何名様ですか?」
「1人です、奥の席いいですか……って、あっ!」
最近の私はどうもツイているらしい。
どうぞ、と案内された席の隣に水瀬さんが座っていた。



