「なるほどねぇ。いざって時に大事なものを守れる男は魅力的よ。紗夜が夢中になるのも分かるわ」

「でしょ! 私が思うに、水瀬さんは不器用なだけですごく良い人だと思うの」

「その直感が間違いでないことを願うわ」

「昌也と出会った時も、直感で親友になれると思ったよ」

「ふふふ、ありがとう。せいぜい頑張りなさい、首根っこを掴んだら離しちゃダメよ」


いつの間にか着替えを済ませていた昌也が、にっこり微笑んだ。

いや、妖艶というべきかな。

今度、メイクの仕方を教えて貰おう。






「お、雰囲気の良い店!」

「ほんとう~よく見つけたね」


ヨシッ! 

今日は、少し遅くなってしまった水瀬さんの歓迎会。幹事はもちろん私で(立候補しました)、この日のために部署の全員が集まれるよう仕事を調整し、お店を探しから、料理を決めるところまで1人で手配した。

その甲斐あって、部署のみんなは大喜びだし、肝心の水瀬さんも奥の席に座っている。

飲み会とかあんまり参加しなさそうだからどうかと思ったけど、頑張って良かった。


「それでは、水瀬さんの歓迎会をはじめたいと思います! みなさん、グラスを持って~乾杯!」