「でも、だからってわざと他の男と仲良くして気を引こうとか逆効果だからダメよ。紗夜の良いところは素直で一途なところなんだから、無理していい女になろうとしなくていいの」
「昌也ぁ」
「思うように頑張りなさいよ、ドン引きされたからって何だっていうのよ。恋愛は押しの一手よ」
「うん、ありがとう」
そうだよね、私、頑張る。
昌也に聞いてもらってすっごく前向きな気持ちなれた。単純な性格で良かった。
「だけど、気になるわねぇ。そんなに良い男なの? 水瀬って」
「そりゃぁ、もう」
写真見てみる? とスマホを出すと、もうツーショットを撮れたの! と褒められた。
いやいや、隠し撮りです。こっそり撮りました。
やだ、引かないでよ。
「あら、さっぱりしたイケメンじゃない。歳いくつだっけ?」
「今年30だって」
「副部長って言ったかしら? 出世頭ね」
そう、どうやら水瀬さんは部長の後任として本部から呼ばれた人で、今現在は副部長として企画部のみんなを引っ張ってくれている。
仕事熱心で、頭が良くて、機転も利く。統率力もある。
ただちょっと、怖いというか厳しいんだよねぇ。



