私のことが、好き……?
聞き返す前に、また水瀬さんの唇が頬に触れた。涙のあとを優しく辿るように頬から瞼へ。言い聞かせるみたいにオデコへ。
そうして最後に唇へと甘いキスが落ちた。
信じられないんだけど、信じられないんだけど!
「水瀬さん、」
「なんだ、まだ足りないか」
ちょっと待って、この人、誰ですか。
耳の下から後頭部にかけて差し込まれた手で頭を抑えつけられ、さらにキス。息が止まるかと思うくらいの長いキス。そうかと思えば角度を何度も変えて強引なキス。
あのクールな水瀬さんが、まさかこんな……。
BARで初めてキスした時なんか無反応だったくせに!
っていうか!
「待って、待ってください。あの、」
唇を離して私を見つめる瞳は、妙に色っぽくて。
「柴咲さんとは、どうなっているんですか?」
そんな質問をするなんて馬鹿じゃないのかと、自分でも思う。
でも、これだけははっきりさせておきたい。



