声が震える。喉の奥がヒリヒリする。
最後なんだからもっと何か上手な言い方があっただろうに、口から出てくるのは想いの半分ほどにもならなくて、これが一世一代の告白なの?
そう、心の中で苦笑い。
残りの想いは涙になって瞳から零れた。
――――と、
「最後にされちゃ困るな」
ゆっくりと伸びてきた指が頬に触れたかと思うと、次いで柔らかいものが涙を拭う。それが水瀬さんの唇だと分かった瞬間、叫び出してしまいそうになった。
心臓がバクバクいってる。
今の、何……。
「今まで散々好き勝手に告白してきたくせに、これが最後だと?」
「あ、あの」
「人の心をこじ開けておいて、そのまま放置でもするつもりか」
「放置だなんて、そんな」
「気が付けばお前のことばかり考えてる俺の気持ちは無視か」
えっと、待って待って。
一旦整理したいので待ってください、と言おうとして、また涙が零れる。
あっと思う間もなく、再び頬に唇。
「水瀬さん……あの、つまり?」
「お前のことが好きだと言ってる」



