キープ? そんなの要らない。
出会いのチャンス? もう出会ってる(振り向いてもらえないけど)
こう見えて、私、一途なの。
「高木、ちょっといいか」
愛しの彼からの呼び出しに、元気な返事をした私は従順な犬のように待てとお座りをする。
実際は、ニコニコの笑顔で立っているだけど、気持ちはそんな感じ。
「午後から企画会議があるから、高木も参加してくれ」
「はい!」
「それから、新春の企画書、出てないのお前だけだ。明日の朝までに書けよ」
「分かりました!」
「なんだ、さっきから。返事が気色悪い」
「水瀬さん、私、合コン行きませんから安心してください」
「…………」
無視ですか!
でも、いいの。地道なアピールを続けるしかないの。
だって私はこの恋を信じている。
初めて会った時、再会した日、私は水瀬さんに恋したの。
なので、気持ちが通じるまで毎日毎日毎日毎日好きだって言い続けますから。
ご覚悟を!