今日も今日とて、告りますのでご覚悟を。



駅までの道をひたすらに走る。

途中、スマホを取り出して水瀬さんにコールするものの繋がらず、休日でもおそらく出勤しているだろうと予想を立てて職場に向かった。ここのところ彼はずっと会社に詰めているのだ。

時刻は夜の9時。

当然のことながら、外から見上げたビルはほどんど明りが付いていない。もう1度コール。やっぱり出ない。

幸い社員証を持っていたので、時間外通用門のところにいた警備員に見せてドアを開けてもらった。そこからエントランスの方に周りながら、「どうして今なんだろう」と独り言ちる。

何も別に今じゃなくて、明日になったら確実に会えるのに。

明日じゃなくても明後日でも週末でも隙さえあればいつだって「好きです」って気持ちを伝えてきたのに、1歩足を前に出すたびに緊張で心臓が胸から飛び出しそうになる。

その理由はね、一世一代の告白をしようと思っているからで、それは「今」しかできないからだ。

もし、これでダメだったらもう終わり。

それくらいの想いを込めて……。












だが、水瀬さんは会社にいなかった。