「わぁ、いいの? じゃぁ遠慮なく」
「彩さん、次こそタコパに参加してくださいね。昌也とユリアも喜びますし」
「もちろんー。っていうか、今夜は?」
「あ、すみません。今日はちょっと先約があって……」
「そ? じゃぁまた今度ね」
残しておいたヨーグルトも取られてしまう。
徹夜明けでこんなに食べれるなんてすごいなって関心しつつ、昨日のたこ焼きがまだ胃につかえている私は消化を促すというハーブティーを追加する。
そんな私に彩さんは笑って、
「食事は基本よ。失恋したって仕事で失敗したってお腹が空いてたら思いっきり泣けないでしょ? 食べて泣いて寝て起きて頑張る。それを繰り返していれば辛いこともすぐ忘れるわ」
と言った。
仕事も恋愛も体力だって、彩さんはいつもタフだ。
実際、仕事一筋のように見えて彼女には優しい旦那さんがいる。相手はなんと昌也の店に一緒に来ていた3人のうちの1人! つまり彩さんは家事も仕事もこなすスーパーウーマンなんだ。
そんな彼女にご教授頂いて、胸に響かないわけがない。
まず、私にできることは睡眠だな。
そう判断してた私は、家に戻りベッドに潜り込んだ。



