突然の告白に、頭がフリーズした。
好きって、藤原が私を……?
「いっ、いつから?」
「は? なんだその中学生みたいな反応は」
「だって、そんなそぶり見せなかったじゃん」
「見せなかったじゃなくて、お前が見なかっただけだろ。口を開けば、水瀬さん水瀬さんって」
「うぅ、ごめん」
素直に認めると、藤原は「別に謝って欲しくねぇーよ」と、唇を尖らせた。
というか、さっきからずっと繋いだままの手をどうしよう。
「まぁ、俺はお前が水瀬さんに惚れてることを知ってるし、分かってて好きになったわけだから、そこはごちゃごちゃ言わねぇーよ。ずっとは困るけど、徐々にでいい」
藤原ってこんな男らしかったっけ。
ううん、本当は知ってる。優しいところも思いやりがあるところも。子供っぽく見えて実は懐が広いところも。
知ってたけど、「友達」というカテゴリーに置いていたせいで、見ようとしなかっただけだ。
「楽な方に逃げればいい、俺が大事にしてやる」
伏せ目がちだった瞳がゆっくり開き、視線がぶつかる。
ほんの一瞬、その視線を私の後ろへと向けた藤原は、繋いだままの手を自分の方に引いた。