今日も今日とて、告りますのでご覚悟を。



そういえば、今年1番の寒波が~って天気予報で言っていたっけな。

目の前の缶コーヒーに手を伸ばすと、温かさが身に染みる。しばらくその温もりを堪能したく、手を当てたままでいると、水瀬さんに取り上げられてしまった。

そう思いきや、プルタブを開けて渡してくれる。


「え?」

「なんだ」

「いや、水瀬さんがこういうことをしてくれるタイプだとは思わなくて」

「それはどういう意味だ」

「なんでもないです、忘れてください」


以前、大河原さんにも缶コーヒーのプルタブを開けてもらったことがあるけど、その時は、あぁ女の子に慣れているんだなぁ、優しいなぁ、くらいにしか思わなかった。

でも、なんだろう、水瀬さんにこんなことをされると。

嬉しい反面、他の女の子にもするのかなって複雑な気持ちになる。

例えば、元カノとか。


「それ飲んだから、帰れよ」

「はい、でももう少しキリの良いところまで」

「そんなに根詰めなくていい。どっちみち年をまたぐことになる。休みの間にゆっくり熟考してくれればいいから」

「でも、私、やれるうちに頑張りたいんです」


確かに企画の第一関門は突破した。期限にも間に合った。

あとは冬休みを挟んで、年明けから本格的に作っていけばいい。そう分かっているけど、気が焦ってしかたない。

水瀬さん、私はあなた1人に責任と重荷を背負わせたくないんです。