今日も今日とて、告りますのでご覚悟を。



部長が言っていたことは、きっとこれなんだろう。

もし結果が出なければ、部長も、そして水瀬さんも責任を取らされてしまう。

そして、企画部は無くなって私たちは他の部署に回されるか、辞書退職を促されるか。しかも、あと1カ月で……。

そんな状況に追い込まれているのに、水瀬さんは何も言わないし、部長からプレッシャーを掛けられているのに、辛そうな顔を見せもしない。愚痴も吐かない。相談する相手もおそらくいないのだろう。

部下に厳しい言葉を掛けながらも、密やかに胸を痛めて。

どうして、そんなに1人で頑張っちゃうの。





「高木? まだ残ってたのか?」

「あ、お疲れ様です」


終業後、企画の再考に集中していたところ、いつの間にか誰もいなくなっていた。がらんとしたフロアの入り口に水瀬さんが立っている。

今日の日中ほとんど外出していた彼は疲れたのか肩をならしながら、こちらに近づいてきた。

艶やかな髪がほんのり濡れている。

大きな手をすり合わせるようにして、何を持っているのかと思えば缶コーヒーで、それを私の目の前に置いてくれた。


「雪が降ってきたから、もう帰った方がいい」

「そうなんですか? どうりで寒いはずですね」