今日も今日とて、告りますのでご覚悟を。



「君が優秀なのは分かっているけど、この業界は結果がすべてだから」

「もちろんです」

「約束の3カ月まで、もう時間はないよ」

「まだ1カ月あります」

「その威勢が続くことを期待しているよ。じゃないと君だけじゃなく、僕の首も飛んでしまうから」

「……はい」


まじかよ、と藤原が小さく漏らした声が聞こえる。

部長はその後も水瀬さんに何か言っていたけど、私の耳にはもう届かず。頭の中ではさっきの言葉がぐるぐる回っている。

3カ月の約束? 首が飛ぶ?

それって一体……。







「悪くないな、現場の声を取り入れた商品開発とイベントか」


二日後、朝1番で提出した企画書に目を通した水瀬さんは、頷きながら顎に手を当てた。考え事をしている時の癖だ。


「エミノスの青山さんにはすでに話を通しています。その他、メディアに進出している美容家さんにも声を掛けようかと。営業部に協力してもらえる手筈も整えています」

「分かった、引き続き調整してくれ」


やった、取りあえずのOKを貰えた!

いつもなら冷たく突き返されるだけの企画書を、今日は胸に大事に抱きくるりとターンする。さっそく細かい調整をしようと自分のデスクへ向かおうとしたら、後ろから肩をトン、と叩かれた。

振り向くと、水瀬さんがほんの少し口元を緩めている。