「好きです!」

「いや、だから無理だって」


あーあ、今日も見事に失敗か。

だけど、気にしない。

もはや恒例となってしまった1日1回の「告白」という名の闘いを終え、私、高木紗夜(さや)は清々しい気持ちで家路に着いた。

途中、最寄り駅のコンビニへ寄る。

明日の朝のパンと、低糖質のお菓子と、ストックが切れていたパンスト、それから彼の好きなジンテイストのお酒を手に取り、重傷であることを自覚しつつカゴに入れた。


好きという気持ちを押し込めるに、自分の胸はキャパシティが狭すぎる。

溢れ出そうでおかしくなってしまう前に、口から出してしまう。

その答えがたとえ拒絶であっても、彼に伝えることに後悔はない。

だってこれは、ほんのちょっとした賭けから始まった恋だから。