「確かにあまり20歳には見られないかも。童顔なのかな?」
慌てて誤魔化し。
ここで帰るなんてつまらないし。
「ん〜そうかもね?でも俺はその黒髪ぱっつんもピンクのグロスも可愛いと思うよ!」
すごく爽やかな笑顔。
さすが、そういう事もサラッと言えるんだ。
ほんのちょっとだけ、元彼と被ったり。
「……ありがとう」
こんなレンタル彼氏なんてしておきながら、未だに元彼への未練はタラタラ。
「時間勿体ないしさ、早く行こっか!ご飯とか食べてきた?…手とか繋いでも大丈夫?」
自然に差し伸べられた手に思わず自分の手を重ねてしまった。
「ご飯はまだ。パスタ食べたいな」
「了解!この辺り俺のお気に入りのお店あるから楽しみにしててよ!」
この人にニコッと微笑まれてつられない人なんていないんじゃないかな。
なんだか私まで頬が緩んでしまうのを感じながら、レンタル彼氏、アヤトとのデートがスタートした。