あれから一年弱。

俺は高校三年生になった。

春になり、桜が俺たちを飾る。

そう、もう卒業の季節になっていた。


俺は、校内で一番大きな桜の木の前に立った。

ここに来ると、いつもさくらのことを思い出す。


文化祭の日の次の日。

さくらは、亡くなった。

さくらの母が言うには、とても幸せそうな笑顔で亡くなったらしい。

俺はさくらにいつまでも笑顔でいようと約束したが、俺は笑えなかった。

そのときは、とても悲しかったのだろう。

今では後悔している。

最後ぐらい、笑顔で送ってやればよかったと。


「かけるー!」

そのとき後ろから、うめの声が聞こえた。

振りかえると、皆が笑顔で手を降っている。

皆、卒業証書を自慢げに見せる。

俺も、返すように、卒業証書を見せた。

ここに、さくらがいたらと何度思ったことか…


「おい、あれ持ってきたか?」

こうきが、そうひかりに聞いた。

「持ってきたよー!」

と、ひかりは少し怒りながらカバンの中を探る。

そして、手作りの卒業証書をだした。

もちろん、これはさくらのだ。

皆でさくらの卒業証書を見ると涙が自然に出てきた。

「さくら、今頃何してるかな?」

「さぁ、花でも見てるんじゃない?」

俺たちは泣きながらも、笑いあった。

さくらが悲しまないように。


さくら。

お前は今、笑ってるか?

俺はお前に出会えて幸せだった。

お前の笑顔を見るたびに、元気がてだよ。

また、会えたら、もっと良いとこにデートしに行こうな。

お前なら御花畑が良いって言いそうだな。

俺、さくらのこと一生忘れない。

さくらの笑顔、絶対忘れないから。

桜を見るたびに思い出すよ!


お前は俺にとって世界で一番の桜だった。

今も、ずっとー

俺はお前が好きだ。