「それはそうだよね」

もっともらしい返事をしてるけど、そもそも、そんなシチュエーションに遭遇したことがない。

凪はわたしといる時は、たとえスマホに電話が掛かってきたってその場では出ないし、わたしに意識を集中させてて、逸らすことはないと思う。だって凪が傍にいる本来の目的は、ボディガードなんだし。

「だから今、彼氏からのライン既読スルーしてんの。あっちの出方次第で別れてやるわ!」

鼻息が荒い結衣子。

「次は絶対、歳上ゲットするからっ。セリ、そん時は彼氏の知り合いとか紹介してよ?!」

「うーんと、そうだねぇ・・・?」

笑って誤魔化した。


凪の知り合いじゃ堅気はいないから。ゴメンね?、結衣子。