愛を受け容れはしないよ。
晶さんの言葉が奥底でズシンと重みを増した。結局、一年前と同じ繰り返し。

届かない。・・・違う、届いてる手を。凪は取らないって決めてる。自分にはその資格がないって・・・!

その瞬間。ギリギリまで堪えてた何かが弾け飛んで。口から先に言葉が飛び出した。

「・・・車を停めて!!」

車内に響き渡った叫ぶような声に。凪はシャッターが閉まった何かの店舗の前に車を寄せた。
後続車のヘッドライトが追い越しては、行き過ぎる。

「もういい。・・・分かったから」

わたしは凪を見ずに低く言い放つ。
シートベルトを外し、ドアロックに手をかけながら。

「晶さんのところに行くわ」