凪が置いた所とは別のパーキングに停まってた白のドイツ車。助手席のドアを開けてもらい、シートに躰を納める。

「食べたいものある? ゆっくり食事をするのでもいいし、軽めに済ませて二人でゆっくりするのでもいいし」

左右を視認して、スマートなハンドルさばきで車を発進させながら。
さらっと言えちゃうところが、余裕のある人だなっていつも思う。歳は凪と変わらないのに。

「・・・そうですね。今日はアキラさんとゆっくりしたいかな・・・?」

考えを巡らせるようにわたしは答えた。
 
「じゃあ軽めのところに寄るよ」

にこりと淡く微笑まれて。車は静かに加速した。