三年ぶりの再会がまさか今日になるなんて思ってもなかったから。現実味も実感もどことなくまだ夢見心地で。嬉しいのか緊張してるのかさえ、自分でもよく分からない。

凪がここにいる。それだけが紛れもない事実。舞い上がりたいような、そのタイミングがどこなのか惑ってるとでも言えばいいのか・・・・・・。

背中でずっと凪を意識しながら、皮をむいた玉ねぎにざっくりと切れ目を入れていく。三年前までは包丁もろくに使えなかった自分が。今こうしてキッチンに立って、好きな人にご飯を作ってあげられてる不思議な感覚。凪と離れたから、在る『わたし』。

・・・・・・少しは成長できたってことなのかな。胸の内で自分にはにかむ。

「お嬢。・・・手伝います」

低く透る声がして横を振り返れば、上着を脱いだネクタイ姿でシャツの袖を捲り上げてる凪がいた。