お酒が強いのも考えもの…
忘れたくて、酔いたくて飲んだのに、一向に酔えない。
飲めば飲むほど頭がスッキリしてくるって、どういう事?

♪♪♪♪♪♪♪

しつこいな、瑠璃。
かけてこないで、今日はそっとして…お願い。



ガチャ、バタン

「涼香!」

「え?」

瑠璃が、部屋に入ってきた。

「なんで?入れるの?」

「何言ってるのよ!この間来た時、合鍵くれたじゃない!」

「…あ」

そう。この間、いない時外で待つのも顔を指すからと、鍵を渡した事を忘れていた。

瑠璃は、私の体を揺さぶった。

「ね、どういう事?お見合いって何?何で相手があの夏帆なのよ!」

「ゆ、揺らさないで。会ったんだ、そっか…」

私からお酒の匂いを感じたのか、顔をしかめた瑠璃。

「あんた、お酒飲んだの?そっか、じゃないわよ!」

「あんまり大きな声で叫ばないで、聞こえてるから…」

さすがに、瑠璃に揺さぶられて酔いが急に回ってきたようだ。
頭が痛くなってきた。

「今日のパーティ、何なの?お見合いってどう言う事なの!」

「私も今日聞かされたの。お見合い前の顔合わせで、エスコートを専務に、って」

「ふーん。それであの夏帆が相手なの?」

「そう。って言うか、瑠璃知ってるの?彼女の事」

瑠璃の表情が険しくなった。

「知ってるも何もないわよ。私が大嫌いな女よ!」

瑠璃の剣幕を見ていると、あの社長令嬢と、よほどの事があったんだろう…聞いてはいけないと、思いそれ以上は聞かなかった。
なのに…

「夏帆はね、怜の元カノなのよ」

「ふーん。怜のねぇ…っ、て、ええ!…痛っ」

自分が出した声が頭に響いた。

「高校の同級生らしいのよ。卒業する少し前から付き合ってたらしいけど。大学入ってすぐに別れたらしいわ」

「なんだ、じゃそんなに関わりも深くないんじゃないの?」

頭を押さえながら、私は瑠璃の話を聞いていた。

「はい、お水。少しは頭スッキリさせなさい」

「ありがとう、で?」

「別れた理由なんだと思う?」

「そんなの分かる訳ないでしょ」

「怜が会社継がないって、分かったからよ」