ドキッ

「ま、まさか…。そんなことない、よ。買いに行こうとはしてたけど」

否定した私に溜息をついた。

「やっぱり、ちょっとした高級なスーツで行こうとしてたよね?あんたの性格分かってるんだから」

さすが、姉妹。
よく分かってらっしゃる。

「はい、そのつもりでいました」

「結構、大きめなパーティなの。アスランのパーティは。秘書だから、って言っても今回のパーティはinvitationカードもらってる人しか入れないから、秘書は同行していないと、思ってて。
だから、あなたを端から見たから、周りの人は如月専務が連れて来た女性になってしまうの、分かる?この意味」

瑠璃から言われて、はっとした。

「もしかして…」

「そう。全員に、秘書です。って説明なんか出来ないし、逆に秘書ですと説明したとしても、どうして連れて来た?ってなってしまうの。いい?如月専務に恥をかかせてしまう事になるの。涼香、あなたの格好一つでね」

そうだ、瑠璃の言う通りだ。
いくら、私にその気がなくても、周りからはそんな目で見られてしまう。

専務に迷惑はかけられない。
室長にまた言われてしまう…


「瑠璃、着いたよ」

「ありがとう」

いつの間にか、地下の駐車場に入っていた。