3人で、あーでもないと話をして盛り上がっていると、美玲と有里華が、無視しないで、と言ってきた。

いや喋らなかったの、あなた達だし。

「あの、如月専務。涼香の事ほんとに頼みますよ?仕事は出来ますけど、恋愛に関しては、純粋なんです。お願いしますよ?泣かせないで下さいねっ!それと、氷室室長!私と有里華はあなたの事許してませんよ?涼香を泣かせて、困らせて。今度やったら許しませんからね!」

「あ、いや。申し訳ない」

いや、美玲…
おかしいって、許してませんって言いながら、今度やったら許しませんからねって…
室長も頭下げてるし。
どうしたものか…


室長と美玲のやり取りを見ていて、蓮さんが話かけてきた。
あんな匠を見るのは初めてだ。って…
美玲に結構言われてるのに、謝る一方で、優しそうな表情を見せていたから。これは、なるようになるんじゃないか?と。
そして、有里華の後ろにいる葛城さんを見つけて、あれは誰?と聞いてきた。

「執事の葛城さん」

「え?嘘だろ?」

「本物の執事」

かなり蓮さんは驚いていた。
驚くよね、私の家にもお手伝いさんや運転手さんとかはいるけど、さすがに執事はいなかったから…

「ね、涼香。お父様の退院したらパーティすると思うけど、もちろん涼香と如月さんとの婚約パーティもあるんでしょ?」

有里華が笑顔で聞いてきた。