飲ませて、って…
ペットボトルを口に持っていこうとした。

「口で」

恥ずかしさのあまり、そこからの記憶がほとんどない。
ないと、言うより思い出したくない。

口に水を含んで、蓮さんに飲ませた。
少し開いた口から水が流れていった。ゴクリと喉を鳴らして…

「美味しい、もっと」

「もう！知りませんっ！」




「……で、しばらく連絡が取れないと思っていたら、そんな事になっていたの？」

「はい…すみませんでした」

「もう！心配するじゃない！」
「そうよ。ひどいわよ。涼香！」

「ごめんなさい…」

久しぶりに、美玲と有里華と食事に来ていた。
ちゃんと二人にも報告しておかないと。
二人は、私が瑠璃と姉妹は知っていても、SEIWADOと関係がある事は言ってなかったから、そこは驚いていた。

「私の家も大きいけど、涼香んとこには負けるかもね」

「な、何を言ってるのよ。美玲のとこだって、一部上場じゃない！」

「それは言える。私の所もそうだよ」

「何言ってるのよ！華道は関係ないでしょ！葛城さんに全部バラすわよっ」

美玲よ有里華もなんだかんだと言いながら、私の事を心配してくれていた。
冗談を言いながらも、

「本当によかった」

と言ってくれた。

そして、プロポーズされた事も話すると、お祝いだ！と蓮さんを呼び出した。