「ちょっといいですか?」

今まで黙って口を挟んでこなかった園田さんが、喋りだした。

「今回の事ですが、社長の言うように如月商事と当社との業務提携で十分なんですよ。そう言ってるじゃないですか?そこを涼香さんが出てくると言う事は、分かりますか?鏑木物産はもう手出しが出来ない。出来ない所か、きっと鏑木社長が謝罪に来るはずです。如月専務、あなたの男としてのプライドもあるでしょう。しかし、ここを見誤ってしまうと、後でとんでもない事になりますよ?涼香さんの思いに答える気がないのであれば、私が涼香さんを頂くまでです」

え?
な、園田さん?

「そ、園田さん?な、何を…」

それは、蓮さんも同じだった。

「な、何を言ってるんだ!やっと、涼香と気持ちが一緒になった、ったて言うのに手放す訳がないでしょう!」

「じゃあ、答は出てますね?」

「え、あ、ああ。涼香、君にはこれ以上、辛い思いをさせたくなかった。出来る事なら、俺が一人でどうにかしたかった。でもそうじゃないんだよな、一緒にやっていってほしい。二人で如月を盛り上げて行きたいと思ってる」

「蓮さん…」

蓮さんが私の手を握りながら、話をしてくれた。

そして、涙が頬を伝っていた。

「…コホン、俺たちいるんだけどな…。忘れてないか?」

兄さんの声でハッとなった。
あ、危ない、あのまま流れてキスしそうになってた。


「ところで、涼香。お前まだ隠してる事があるだろ?この際全部、彼にぶちまけろ。それが俺が許してやる、交換条件だ」

「え?なんですってー!」