そして、その明日がやってきた。

蓮さんに、伝えよう。私の事を。
それから、今後の事を考えよう。

次の日、蓮さんから連絡があった。何時がいい?と。
時間が出来たら、私の家まで来てほしいとお願いした。


「遅くなってごめんな。大丈夫か?」

「いえ、ここまで来てもらってすみません」

「いいよ。会いたかった…」

玄関先で私を抱きしめてくれた。
このまま、この人の胸で抱かれていたい、と思った。でも、そうは言ってられない、蓮さんにも関係する事だから…

「蓮さん、聞いてほしい事があるんです。いいですか?」

「え?あ、あぁ」


コーヒーを淹れながら、自分自身を落ち着かせようとしていた。
ちゃんと話しよう。

「はい、コーヒーどうぞ」

「ん、ありがとう。で?話って?」

私は、蓮さんの前に座った。
そして、手を握りながら話を始めた。

「蓮さん。私、あなたに話していなかった事があるんです」

♪♪♪♪♪♪♪

誰!
こんな時に電話なんて!

って、私じゃなかった。
蓮さんの携帯にだった。

「あ、ごめん。もしもし?」

落ち着かせようと、コーヒーを一口飲んだ。

「な、なんだって!それで?うん…うん、分かった。すぐそっちに行く」

蓮さんは、立ち上がった。

「悪い、涼香。匠からだったんだが、会社にだった。戻らないといけなくなった。話、明日でもいいか?」

「……え?何があったんですか?」

「鏑木物産が動いたらしい、今回の事で。匠が手を打たないと、如月が危険だって。一応、手は打ってるんだが、まだ確定じゃないから、不安定なんだ。ちょっと行ってくるよ。いいかな?」

「あ、はい。分かりました」

それだけ言うと、蓮さんは再び会社に戻って行った。