室長の電話の後、私は蓮さんに電話をかけた。

室長からかかってきた事も、伝えないといけないし、私の事をちゃんと話したかったから。

「……蓮さん、今いいですか?」

「涼香?何かあったのか?」

「いえ、父の退院も決まったので、来週には出勤しようかと…」

「そうか?それは良かった!安心したよ。それより、匠から連絡がなかったか?」

「え?ど、どうして…」

「やっぱり、連絡があったか。夏帆さんとの破談が匠が知ったんだよ」

「……やっぱり、そうなんじゃないかと」

「何か言われた?」

「関わってないか、と」

「悪いな。匠も焦ってるんだよ、いろいろとな」

あ、社長の引退話の事を言ってるんじゃないかと思っていた。

「涼香…」

「…はい?」

「会いたいよ、会って君に触れたいよ」

蓮さん…

「…私も、会いたいです…」

「今会える?…無理か。ごめんな」

「い、いえ。私も会いたいって思ってたんで。嬉しいです」

「いつ会える?来週までなんて待てないよ」

私は、蓮さんに全てを打ち明けようとうと思った。

「明日、時間ありますか?」

「明日?大丈夫。時間はまた連絡するね?いい?」

「はい。待ってます」

電話を切った私は、心を決めた。