姉、瑠璃が言うには、如月商事が出す新製品のキャンペーンモデルに、瑠璃を指名したらしい。

そう、瑠璃はRURIの名前でモデルをしている。しかも、世界で活躍しているモデル。普段はファッションショーばかりに出ているけど、CMとかにも最近ちょこちょこ出ていた。
まさか、如月商事が瑠璃を指名するなんて…

「どうする?断ろうか?」

「断れるの?そんな事して大丈夫なの?」

「大丈夫だと思うよ。涼香が嫌な事、私はしたくないし、だから今日聞きに来たんじゃない」

「ありがとう。断れるんだったらしてもらってもいい?」

「いいわよ。マネージャーに話しておくわ、任せておいて」

よかった。
ただでさえ、目立つ事が嫌なのに、姉が自分が勤めている会社の商品のモデルになってしまったら、勘のいい人ならバレてしまう。

そんな事は避けたい。

「でもさ、涼香。あなた、私達双子なんだから、ちゃんとしたら誰もが振り返る美人なんだよ?もったいないよ?」

双子。
私と瑠璃は一卵性の双子。
しかし、自分で誰もが振り返る美人って言うか?



でも、だから、必死に隠したいのだ。