once again

有里華と美玲を乗せたリムジンが走り出した後、ベンツから降りてきた派手な女性は私の姉、瑠璃だった。

「おかえりー。遅かったじゃない」

「来るなら連絡してよ、仕事してるんだから、帰りに食事に行ったりする事だってあるっていつも言ってるじゃない」

「ごめんねー。私もさっき日本に着いた所だったから、時差ボケでね」

「はいはい。部屋行くわよ」

ちょっと軽く酔ってる瑠璃を、引きずるようにマンションへ引っ張って行った。

オートロックの扉を開けて、マンションに入った私達。
私の住んでる階の15のボタンを押す。

エレベーターの扉が閉まったのを確認して、瑠璃に聞いた。

「仕事、どこで？」

「今回はパリ。2週間だったから、さすがに疲れたわよ。家に帰ってもよかったんだけど、この時間じゃ、何にも部屋にないでしょ。だから…」

音を立てて、エレベーターが15階に止まった。

「ま、何にもない部屋には帰りたくないわよね。ご飯は？」

歩きながら話していると、部屋に到着。鍵を開けて、瑠璃を先に入れた。

「帰ってきたー。疲れた」

瑠璃はそう言うと、リビングのソファに吸い込まれるように座り込んだ。

「何食べるの？簡単な物しか作れないよ？私食べてきたから、あんまり冷蔵庫に入ってないの」

「なんでもいいよ。ザ・日本食で構わないから」

なんでもいいから、とハードル上げてくれたな。
私は、調理を始めた。