先輩、気付いて下さい。

こんなに
イライラしている先輩は
初めて見たから
驚きを隠せない私に対して
涼太先輩はなんだか
考え込んだような感じで
眉間に皺を寄せていた。


「涼太先輩…?」

恐る恐る名前を呼ぶと

「あぁ、ごめん。
 絡まれてるの気付けなくて…
 何ともなくてよかった。
 俺たちも回ろう。」

そう言って私の手を握って歩き出した。