「りょ、涼太先輩?」

名前を呼んでも反応なし。
なんで抱きしめられてるんだろう。


しばらくそのままの状態が続き
やっと離してくれたかと思ったら、

「結衣ちゃん。雄哉なんかやめて
 俺と付き合わない?
 ずっと好きだったんだ。」

真っ直ぐ目を見つめられて
言われた言葉は信じられなかったけど
嘘を言ってるようには見えなくて…

「そんな、何で…」

「雄哉を好きな結衣ちゃんを
 好きになった。
 だから、雄哉を好きなままでいいから。」

どうしてわざわざ…
そんなの涼太先輩を
利用しろって言ってるようなもんじゃん…。

急な出来事に頭が回らず
ごめんなさいとだけ言い残し
その場を後にした。