先輩、気付いて下さい。

「結衣。」

突然名前を呼ばれた。

慌てて声がした方に
視線を向けるとそれは雄哉先輩だった。

「…え?」

「え?じゃねーよ!
 朝からずーっとぼーっとしてんじゃん!
 楽しくない?」

…先輩はエスパーでしょうか?
私が望む願いを叶えてくれた。

『ずっと』このワードが
心に残る。

たった半日で
何回落ち込んだり、喜んだりするんだろう。

「ゆーい!聞いてんの?
 お前、俺の事無視しすぎじゃね?」

もう一度名前を呼ばれ我に返る。