先輩、気付いて下さい。

そう言うと
納得してくれたみたいで

「ごめんね!ありがとう!」


愛依と竜太君は
仲良しそうに手を繋いで
人ごみの中へ消えて行った。




さて、私はどうしようか。
とりあえず空いていた
木の陰に腰を下ろして
中庭を眺めていると


「あれ、結衣ちゃん?」

誰かに名前を呼ばれた。
不思議に思って振り返ると
そこには意外な人物。


「蒼空君?」

なぜか蒼空君がいた。


「愛依ちゃんは?
一緒に回ってると思ってたけど!」


そう言いながら私の隣へ座った。