先輩、気付いて下さい。

「おーい、2人とも遅い~!
 早く行こーぜ!」

ホームを出ると
やけにテンションの高い雄哉先輩に
急かされた。

「さっき理佳先輩には
 『急がなくていいよ』なんて
 言ってたのに、私たちの事は
 急かすんですね~」

べーっと舌を突き出して
嫌味っぽく、拗ねたように言った。

「なっ…!ちげーよ!」

「理佳先輩ひいきだ~!」

『だからちげーって!』

こんなやり取りをすること数回。