先輩、気付いて下さい。

「じゃあ、送ってやるから行くぞ。」


…え?


「送るって…」

「傘なくちゃ帰れないだろ?
この前、看病してくれたからお礼。」


そう言って綺麗な顔で微笑む先輩に
胸が高鳴った。

こんな幸せな事が起こっても
いいのだろうか。
いつか罰が当たるかもしれない。

だけど、神様が私に味方してくれたのかな?
なら、自分からこのチャンスを
逃すわけにはいかない。



「…いいんですか?」

躊躇いがちに聞くと


「おう!」


私が大好きな笑顔で笑った。