じめっとした空気の中で空を見上げる。

コンクリートに打ち付けて跳ねる
雨の粒は止まることを知らないようで、
一向に激しさを増すだけだった。


辺りを見れば
一本の傘に2人で入る
カップルが多くいた。


いいなぁ~。
雄哉先輩はきっと
あの人たちみたいに理佳先輩と
帰るんだろうな。


想像して落ち込んでいた時

「結衣?」

どこからか私の名前を
呼ぶ声がした。


きょろきょろしていると


「こっち!」

目の前には雄哉先輩のドアップ。


「…っ!?」