先輩、気付いて下さい。

「え…。結衣顔真っ赤なんだけど?
照れた?」

自分でも分かっていることを
言葉にされたことが
余計に恥ずかしくなって

「て、照れてないですから!
先輩こそ!つまらない冗談
辞めてください!
それに!先に手を握ってきたのは
先輩の方ですから!」


可愛くない反抗をしてしまった。


「え、マジか。俺からしたの?」
勢いで真実を話したけど
引くに引けなくなった。

「そ、そうですよ!
だから私、先輩が寝た後に
手、離したんです!」

私の発言に少し考えるような顔をして

「…って事はさ、寝てる間に
結衣がもう一回自分から
握ったって事になるんじゃね?」