先輩、気付いて下さい。

薬も飲んでないのに…

「結衣のこれのおかげで
熱下がって、元気になったわ!
ありがとーな。」

おでこに貼ってある
もう冷えていないであろう
冷えピタを指差して笑った。

そんなんで治るなんて
信じられないけど…

「あとは結衣のおかげだな。
手、ずっと握っててくれた。」

…え!?
私、寝る前に離したよね?

「起きたら驚いた。
ぎゅーって握ってるし~。」

いつもの調子でヘラヘラ笑う
雄哉先輩に対して
私は、柄にもなく
顔に熱を帯びていくのを感じた。