理佳先輩の手が
振りあがるのが見えた。

昨日は雄哉先輩が助けてくれたけど
今日はそうはいかない。


だけどその振りあがった手を
止められるほど私は
反射神経が良くない。

諦めたその時…


「手あげるのはまずくないですか?」


愛依が理佳先輩の手を止めていた。


「それとこれ。
 今のずっと撮ってましたから。
 これが知られたらあなたの高校生活
 おしまいですね?」


スマホをヒラヒラと振り
ニコっと笑って言う愛依に
私でも鳥肌が立った。