先輩、気付いて下さい。

「花火大会以来ですね!
 あれ、1人ですか?
 理佳先輩は?」


謎に吹っ切れた私は
前みたいに普通に話していた。

そんな私の様子に安心したのか


「あいつ担任に呼ばれてんだよ!
 だから待ってる!」


先輩らしい笑顔でそう言った。


その言葉に
まだ付き合っているという事実は
認められたけど
不思議と胸は痛まなかった。


「そうなんですね!
 涼太先輩探してるんですけど
 もしかして呼ばれてますか?」