谷村乃菜花ー僕が好きな女の子の名前。
僕は今まさに、その子の証明写真を持っている。拾ったのだ。
ミディアムの髪を下ろして、前髪はセンター分けにしている。顔は、笑っていいのか分からない、といった表情だ。僕は思わず微笑んだ。
誰も見てないことを確認して、それをお尻のポケットに仕舞おうとしたそのときー
「あー!谷村さんだあ」
幼馴染の道尾小町がそれを奪っていた。
髪は巻いているし、スカートはかなり短い派手女子だ。