嘘はもう、

風邪引いて欲しくない。
そう思い返そうとしたら腕を掴まれた。
それだけで心臓が高鳴る。
「いいって大丈夫!着てな」
「でも冷えるよ…」
「ふっ…俺暑がりだから、大丈夫」
私は返すのをやめた。
そんなに言ってくれるならありがたく貸してもらおうと思った。
「じゃあ…お借りします」
「ん」
電車に乗り、先に私の駅に着いた。
「ここから歩き?」
「うん」
「気をつけて帰ってね、結構暗いし」
「吉田くんも気をつけてね!ありがとう、ばいばい