嘘はもう、

今は9月の半ば。
昼間はまだまだ暑いが、朝晩は少し涼しい。
オレンジ色の暖かい色の街灯が左右に散らばっていて少し安心する。
さっきも一緒に歩いたバス停までの道のりをまた歩き出した。
…なにか話してくれないかな…。
ちらっと吉田くんを見るが綺麗な横顔がただ見えるだけだった。
はあ…そんな早く仲良くなれるなんて信じられない話だし、一緒に帰れるだけありがたいと思わなくちゃ。
そう自分に言い聞かせて歩幅を広くして歩いた。
「あ、ごめん、歩くの速かった?」
「えっ?」
急に声が聞こえて頼りない声が出てしまった。