見つけた!!


私は目を輝かせ、交差点を渡り切った後、そのキーホルダーを思いっきり掴んだ。


「これが本物…こんな近くで触れるなんて…」


「ちょっと、あんた誰」


感動に浸っていると、すぐ近く声がした。


私が上を見上げるとそこには、金髪姿で驚いた顔をして私をみていた…


男だった。


「え……」


私は我に返る。そして私は今の状況を把握した。


どうやら私はこの男の人のリュックに付いているキーホルダーを思い切り引っ張り、その人を無理矢理引き止める形になっている。


「うぇ!?」


私は驚きと恐怖のあまり、キーホルダーを掴んだまま地面にしりもちをついた。


その衝動でキーホルダーのチェーンがリュックからはずれる。


「なんで…」


その人がなにか話そうとした瞬間、私は立ち上がってなにも言わずに走り出した。


「おい!ちょっと!!」


とにかく私は家に向かって全力で走った。


後ろからその人が言っていることに耳も傾けず、無我夢中で走った。