バックを置きながら席につき、顔を伏せて目を瞑る。 自然と耳に入ってくるのは、女たちの騒ぎ声や男たちのふざけ合う声。 いつも通りの様子、変わらない毎日。 これを、"平和"というのだろう。 ホームルームが終わると、授業が始まる。 「──では、この問を…九条さん」 難問を当てられ、それを解くとまた集まる視線。 さっきまでワイワイと騒いでいた男も女も、こちらを見てくる。 何がそんなに珍しいのだろうか。