今日も彼奴は妖艶な笑みで微笑む

「文綾〜綾辻先輩とはどうなの〜?」
ふらふら〜っと、いきなり湧いて出てくるクラスメイトの高村花来(たかむらはる)。



「どうもなにも私は好きじゃないから」
「そんなこと言って〜だんだん気になってきてるんでしょ〜?」
語尾を伸ばすのが癖なのか喋る速度が遅い。まぁ急かされてる気がしないから楽といえば楽なのかもしれない。




「執拗い、別に深斗が好きなわけじゃないから」
「え〜じゃあ誰が好きなの〜?」
「好きな人なんていないから!」
ニヤニヤ笑いながらこちらを見ている高村に切り札を出す。



「潤野とはどうなの?」


「へっ」
いきなり呆けた顔になり戸惑う高村。


「潤野だよ、潤野蒼星(まのそうせい)」
高村の想い人であり隣のクラスの潤野蒼星。


「蒼くんとは〜別になにも無いから…」
ごにょごにょと話しているが実際私は潤野からも高村の事で相談を受けている。私としては早くくっつけリア充共が、と言うような感じだ。



「でも、次のおおきなイベントと言ったらバレンタインでしょ?渡すんでしょ?今年も」
「そりゃあねぇ〜好きな人にはもちろん渡すよ」
「本命って言わないで今年で何年目だろうね」
結構たっていると思う、私が話を聞くには。


「もう今年告白しちゃえばいいのに…」
なんなんだこのバカップルは。




「無理だよ〜…ってあ、授業始まる〜また後でね〜」
そう言うとまたふらふら〜っと高村は席に戻って行った。