__プルルルルルルルル____


ピッ


「はい?」
『あぁ深矢!深矢深矢深矢深矢深矢深矢深矢深矢深矢深矢深矢深矢深矢深矢深矢深矢深矢深矢!!!!!』
「迷惑電話なら直ぐきりますが」
『俺からの久しぶりの電話に照れたの??』
「電話だけじゃなくて思考までもが迷惑」



『聞いてよ深矢、俺は君のものなのにそれを知らない奴が身の程知らずにも俺の事が好きだって……あぁ違う、俺が深矢を想う一億万の一より好きという感情が薄いんだからあんなの好きに入らない……。俺をよく目で追ってしまうから付き合ってくれって言ってきたんだ。俺には君以外有り得ないというのに。』



「確かに深斗と同じくらい想ってたら迷惑だからね。」

『だって深矢も俺以外生理的に無理だろ?俺だって同じように深矢以外無理なんだ。そこらの石の方がまだ興味ある。』


そこまで言ったら相手が可哀想だな……。



「その相手はどうなった?」
『殺すのは深矢に会えなくなるから“脅してきた”』


「うわぁ…」


それは相手にご愁傷さまとしか言えない。




『だからね、深矢の声が今すぐ聞きたくなって、』

「だから電話ってことか」

『でも電話してたら』









「直接会いたくなっちゃった」




後ろから急に人の体温を感じる。











後ろから回された手が標準より低い、サラサラとかかる髪は短く薄茶色。




「お疲れ様」


「ふふっ、深矢に会えるなら三千里だって一瞬だよ」




「メリーさんみたい」
「途中で切らなかった深矢は俺の事が好きなんだよね?」


「普通」
「普通に好きって事か!」




此奴は本当に……



「思考が可笑しい。」






まぁ、好きでは無い。